会社へのお客さんの声を的確に分析し,新たなビジネスチャンスを発見する.あるいは個々の社員の行動と成果を把握することで生産性を高める.これらを行うために,複雑なシステムの設計あるいは購入などが必要であったがこれらを行う ためには多額のコストと時間が掛かってしまう.
しかしシステムが使えにくくなると新たな投資が必要となり資金力が乏しい企業にとっては大きな負担になっている.このためこれらのシステムの導入に踏み切る事ができる企業は多くはなかった.
クラウド・コンピューティングはこれらの企業規模・資金力に関わらず・だれでも超高性能なコンピュータレベルのシステムが利用可能にする新たな利用形態として表れている.
野村総合研究所によるとクラウド・コンピューティングの定義として,
「クラウド・コンピューティングとは拡張性に優れた巨大なITリソースを,インターネットを通じてサービスとして提供するというコンピュータの形態である.」
という事を指す.
つまりパソコン内の様々なリソース(CPUの計算能力やストレージ容量)をパソコン内からではなく,インターネットから利用できるという事.技術ではなくあくまで「利用形態」である.なのでクラ
ウド・コンピューティングの研究・開発しているという事を言っている人はアレかもしれない.
もっと簡単に言えば,インターネット上の空間につながっているサーバなり,ストレージなどの巨大なコンピュータ群を必要に応じて利用できるコンピュータ群を意味している.インターネットを利用する際には一般的に「雲」で表現することから,クラウド・コンピューティングの 「クラウド(雲)」はここから来ているそうです.
このクラウド・コンピューティングの利点にはインターネットというサイバー空間自体が,「計算処理のためのリソース」としての処理を行う事ができる点にある.
この「計算処理のためのリソース」というのはコンピュータのCPU能力,ストレージ,アプリケーション及びアプリケーション実行のためのプラットフォーム,ソフトウェアなどがこれに当たり,こ のリソースは高い拡張性がある.この拡張性は急激なトランザクションやユーザ数の増加からの負荷に対し柔軟に処理能力を増減を行う事である.
例えば超人気アーティストのチケット販売をインターネットで行ったとする.この時,そのチケットの販売を行うホームページはアクセスが集中しダウンするかもしれない.これはコンピュータ・インフラの運用を行うクラウド・コンピューティングの,負荷分散を行うこと で防ぐ事が出来る.ここからわかる利点はトランザクションの処理に合わせてコンピュータリソースを用意する必要がないという事に利点がある.
クラウド・コンピューティングの利点としてはもう1つ挙げられるのが,どの機種のコンピュータで処理を行い,どのサーバーでデータを検索している かがユーザには意識する必要がないという事だ.これはユーザがどこのサーバにアクセスしているから良い,このサイトにアクセスしているから悪いといった事をユーザに意識させないという事である.
クラウドコンピューティングではWeb(インターネット)につながる端末(ただし,適切なパフォーマンスで動作する端末)さえあれば,インターネット上のリソースにいつでもアクセスする事ができ, CPU能力や記憶容量やアプリケーションを利用することができる.
あと,アプリケーションのアップデートを行う際に今までだとパソコンの台数分のアップデートを行っていたのをクラウド・コンピューティングだとサーバ内のアプリケーションにのみ行えばいいので楽. セキュリティに対しても同様.
今までのハードウェアなりソフトウェアを所有するためには,現金を支払い,所有および管理する.クラウド・コンピューティングではユーザーが実際に利用する分だけ,CPUの処理能力であれば単位時間あたり***円,ストレージでは単位容量あたり***円といった形だ(ただし,ストレー ジの場合単位転送量あたり***円という場合もあり).